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2021年11月の記事は以下のとおりです。

美しきロスマリン

ポピュラーな曲ですから誰でも知っていると思います。バイオリンの巨匠フリッツ・クライスラーの小品で、作曲家当人の名演が残ってます。

クライスラーは、オーストリアの帝政時代から共和制さらにナチス独裁という時代の流れの中で活躍した音楽家です。皇帝フランツ・ヨセフの時代を含むので、聴いていると沸き立つような「古き良き時代」のウィーンの薫りが伝わってきます。アシュケナジムだったことからオーストリアがドイツに併合されたときにアメリカに渡り没してます。

「音楽的に粗野」という理由でウィーンフィルの入団試験で落とされてますが、軍人でしたし、また学んだのがウィーン国立音大ではなくウィーン市立音大でした。ウィーン市立音大を10才で主席卒業、さらにパリ音楽院を12才で主席卒業してます。

クライスラーは、ウィーン市立音大でブルックナーから作曲を学んでいるので、小品にもスケールの大きさが感じられるのは、その影響なのかも知れません。

 録音は1938年、ヒットラーがオーストリアを併合した年ですから、クライスラーがアメリカに渡る直前ですね。

パリ音楽院でも学んでますから、この録音の8年前のフランスのラベル(1875年3月7日 - 1937年12月28日)自身の演奏を聴くと、拍の刻みの厳しさから曖昧なところが無いという意味で、同じような印象を受けます。

作者であるラベル自身の指揮による1930年初演のボレロです。ごまかしの無い、類稀なる名演です。巨匠の精神力にたじろがず最後まで集中して聴くのは簡単ではありません。

 

美しきロスマリン(Schön Rosmarin)は、フリッツ・クライスラー(Fritz Kreisler, 1875年2月2日ウィーン生 - 1962年1月29日ニューヨーク没)作曲のヴァイオリンとピアノのための小作品。 4分の3拍子。ト長調。簡単な三部形式。著作権切れPDF楽譜(上から30ページ目、楽譜内のページ表記と異なる)

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